GLP-1受容体作動薬の位置づけ 京都大学 稲垣暢也教授
2013-06-11 12:23
川村内科診療所
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2013年6月10日 ランドマークタワー アストラゼネカ横浜支店
演題「2型糖尿病治療におけるGLP-1受容体作動薬の位置づけ」
演者:京都大学大学院医学研究科 糖尿病・栄養内科学教授 稲垣暢也 先生
内容及び補足「HBA1cが今まで日本で行われていたJDS値からの国際標準のNGSP値に変更されたことに付随して糖尿病の管理目標値の変更となった。
糖代謝の正常化のための目標値:6.0以下、糖尿病合併症予防の目標値:7.0以下、治療強化が困難な際の目標値8.0以下と簡便化された。
GLP-1受動態作動薬は、グルコース依存性にインスリン分泌を促進する作用がある物質で、高血糖時にグルカゴン(血糖値を上昇させる作用+)分泌を抑制する作用や胃内容物排泄遅延作用などの多様な作用機序で2型糖尿病の血糖コントロールを改善する薬剤である。一日二回注射しなければいけなかったバイエッタと週一回の注射ですむビデュリオンの比較試験の結果を下図に示す。空腹時血糖値は、バイエッタが−23.90mg/dlに対して、ビデュリオンの方が−40.57mg/dlと低下作用が強い。食後の血糖値の上昇は、一日二回注射するバイエッタの方が、朝食ごと夕食後の血糖値の上昇をしっかり押さえている。

しかし、平均血糖値の推移であるHBA1cの低下具合は、投与開始12週後ぐらいから差が出始め、26週時点においては、バイエッタが−1.12%であり、ビデュリオンが
−1.43%とビデュリオンの方が強い。これは、空腹時血糖の際からきていると考えられる。

体重の変動においては、26週時点においてバイエッタ−2.45kgに対して、ビデュリオンが−1.63kgとバイエッタの方が体重低下作用が強い。

これは、いないよう排泄遅延作用がバイエッタの方が強い点と、副作用としての悪心、嘔吐、食欲低下作用がバイエッタの方が強いことが影響していると考えられる。
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