2014年2月5日 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル
演題「知っていますか?血糖測定器のあんなこと、こんなこと」
演者:H.E.Cサイエンスクリニック 検査課課長 瀧澤由紀子先生
血糖測定器には、多種多様にあり、それぞれに特徴がある。
測定方法は大きく分けて二つに分類されます。
酵素電極(GOD、GDH)法:
GOD法:センサー中にglucose oxidaseとフェリシアン化カリウムを含み、血液中のブドウ糖と特異的に反応してグルコンサンと電子を発生させ、そこに一定の電圧を加えることにより生じずる電流量が血液中のブドウ糖濃度に比例することを応用した測定方法。
GDH法:センサー中のgluckose dehydrogenaseがブドウ糖と反応して出てくる電子を測定測定法
酵素比色法(HX、GOD/POD)法:
HX法:ブドウ糖にhexokinaseを反応させG6PとしG6PDHの作用でNDHとテトラゾリウムを生成させ、ジアホラーゼを作用させることで発色したホルマザンを比色定量する方法
GOD/POD法:glucoseozydaseの作用でブドウ糖が過酸化水素とグルコンサンになり,peroxidaseの作用で反応用試薬中の色原体と反応して生じたキノン形色素を比色定量する方法
それぞれの測定方法ごとに弱点があります。
有機リン剤の中毒の解毒剤であるPAM(Pralidoxime iodide)の存在で血糖値はより高値を示す。
還元物質の存在下においては電極法では高値に、比色法では低値になり易いといわれている。
酸素分圧の影響はGOD法においては溶存酸素分圧が大きいほど血糖値は低く測定される。
ヘマトクリットの影響:電極法ではヘマトクリット値が低いと高めに、高いと低めに出る。
温度は低温で高値に、高温で低値になる。特に冬場、測定器を寒いところにおいておくと想像以上に高値となることが少なくない。人肌の温度に10分ぐらいおいておいてからの測定が望ましい。
検体量は少ないと低値に出やすい。