けいゆう病院 鈴木孝司先生 NSF
2013-04-15 09:24
川村内科診療所
記事に戻るコメント(0)を読む・書く
2013年4月13日 神奈川保険医協会
演題「ちょっと最近の腹部画像診断」
演者:けいゆう病院放射線科部長 鈴木孝司先生
内容「CT検査やMR検査には造影剤を利用することがあり、その造影剤の副作用の頻度は(MR:CT)、嘔気・嘔吐、熱感、動悸(1%:3%)、呼吸障害、血圧低下、意識障害(0.01%:0.04%)、死亡(0.0001%:0.01%)であり、CTの造影剤に比べMRの造影剤の方が安全である。CTの造影剤の方が5倍量ほど使っていることも影響していると思われる。ただし、MRに使われるガドニウムの特異的な副作用として腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis)という疾患があり、特に腎不全患者さんにガドリニウムを投与した数日〜数か月後に志士の皮膚主張・発赤・硬化、四肢の関節拘縮、伸展位での固定が生じ、場合によっては死亡することもある状態があるので、腎機能が悪い人への投与には慎重に経過を見る必要がある。

ガドリニウム投与前後でT1強調画像でより差が明瞭になるため、利用されます。その他にSPIO(超常磁性酸化鉄)があります(鉄は通常肝臓のクッパ―細胞に取り込まれるのですが、異常な肝細胞から成る組織にはクッパ―細胞が存在しないので取り込まれません)。HCCのMR画像の特徴としては、T1強調画像で白く染まります(In phaseとOpposed phaseであまり変化が見られない場合には出血の可能性が強くなります)。
肝臓の腫瘤性病変で肝血管腫が強く疑われるもの以外はMRやCTをやる意味があり、肝機能障害が認めるものはやる必要があります。膵臓に関してはMRCPが造影剤を使わず撮影できるので、何らかの異常ある場合や疑われる場合には、病診連携質を通じて依頼していただければ、1時間あれば読影レポートを付けてお返しできます。
膵臓ののう胞性病変としては、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性のう胞腫瘍(MCN)、漿液性のう胞腫瘍(SCN)、充実性偽乳頭腫瘍(SPT)がある。卵巣腫瘍と同じように石灰化があると悪性の可能性が高い。SPTは若い女性が90%で10〜40歳で70%を占め、以前は悪性疾患は見られないとされていたが、最近男性で悪性例の報告がある。SCNは60歳前後の女性が多く、良性が多いが最近悪性例の報告もある。MCNは平均48歳で女性に多く発生し、多房性で、卵巣様間質を有いる。問題なのはMaligant potencialがあるので手術で取り除くべき疾患である。IPMNは他と異なり、男性に多く粘液産生性である。分岐型と、主膵管・主膵管と分岐型の混合型がある。分岐型は悪性である可能性が少なく、経過観察が主となるが、混合型や主膵管型は手術例の60%に悪性を認めているとの報告があり、手術を考慮する必要がある。腫瘤が3?以上、壁在結節+、主膵管拡張が6?以上は手術適応と考えている。
記事に戻るコメント(0)を読む・書く
検索
キーワード

カテゴリ
その他 (8)
健康川柳 (17)
呼吸器系 (5)
川村内科診療所スタッフブログ (12)
川村所長のプライベート日記 (77)
川村所長の勉強会参加記録 (94)
循環器系 (16)
書籍紹介 (28)
消化器系 (5)
病気の豆知識 (8)
糖尿病系 (12)
脳神経系 (12)
腹凹ウォーキング実践中 (16)
血液系 (1)
診療情報・休診日などのお知らせ (2)
骨格筋 (2)
月別アーカイブ
2014年8月 (21)
2014年7月 (21)
2014年6月 (16)
2014年5月 (11)
2014年4月 (11)
2014年3月 (7)
2014年2月 (9)
2014年1月 (3)
2013年12月 (12)
2013年11月 (7)
2013年10月 (22)
2013年9月 (21)
2013年8月 (6)
2013年7月 (23)
2013年6月 (16)
2013年5月 (9)
2013年4月 (24)
2013年3月 (31)
2013年2月 (34)
2013年1月 (1)

友人に教える
お問い合わせ

ホーム
上へ
川村内科診療所

川村内科診療所
このサイトは携帯電話向けサイトです。
携帯電話でご覧ください。