アルコール対策 ちょっとした豆知識
2013-02-12 16:52
川村内科診療所
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適度のアルコール摂取は体にいいといわれています。しかし、飲みすぎや、アルコールを飲むときに食べる『おつまみ』の取りすぎにより、色々な生活習慣病が出てきます。また、結構『アルコール+おつまみ代』が馬鹿にならない金額となります。
まず、ご自身の飲み方を、再度見直してみてください。本当に味わって飲んでいるのでしょうか?『ノド越し』『冷たい』ものがおいしいものと勘違いされていませんか?『人それぞれ楽しみ方があるからこれでいいんだ!』と、考えられる前に、もう一度考えてみてください。
生活習慣病は、好きなことをし続けて・食べ物を食べ続けて出てくる病気です。嫌いなことや物は続けないので、病気の原因にはなりません。好きなことをし続けて・食べ物を食べ続けて病気をつくるのは、もったいないと思いませんか?まず考えてほしいことは、『この一杯のアルコールが一万円したら、どのように飲むか』ということです。ノド越しで、グイッと短時間で飲み干す方は、あまりいないと思います。あくまでも、『味覚』を楽しむのは、『舌』であり、『ノド越し』ではありません。その上、ノド越しの感覚を楽しむ飲み方では、口の中にためて味わうようなことをしないので、短時間でたくさんの量を流し込むことになります(店の売り上げを増やしてしまいます)。高い赤ワインを飲むことを考えてください。冷やしたりせずに、しかも、ノド越しで飲むこともありませんよね。口の中で味わい、唾液と混ざった後の味も楽しんでいませんか?ソムリエなどは、口の中で『グチュグチュ』やって、空気と混ぜた後の味の変化も、温度が変わることによる味の変化も楽しんでいます。
また、『冷たい』ほど『美味しい』と考えられていませんか?『味覚』は温度が下がりすぎると『麻痺』してきます。あの不味い『青汁』でさえ、冷やすと飲めるのです。「日本のビールはぬるくなると、不味くて飲めないから、冷やして飲むのだ」といわれる方がいますが、その通りです。ある意味、冷やさないと飲めないのです。ちなみに、ビールの味を楽しむ国民の代表であるドイツ人はビールを日本人ほど低い温度に冷やして飲むことはありません。ビールの味がわからなくなるからです。『人によって楽しみ方が違うのは当たり前なので、冷たいノド越しを味わって何が悪いのだ!』・・・その通りです。ただ、この飲み方は、『味わって』いるのではなく、『刺激を楽しんでいるのだ』ということと、『金額が高くても、同じ味わい方をするのかどうか』をご自身で再確認してほしいのです。
また、アルコールの『おつまみ』は、塩辛い物や刺激の強いものが多いのも曲者です。塩が濃いと、細胞が脱水になり、水分がほしくなり、アルコールの量が増えやすくなります。ただ、アルコール自身には、利尿作用(おしっこを作る)があるので、さらに脱水が進行することになります。酔った後に飲む『水』が『すごく美味しい』と感じるのは、このためです。ただ、あまりにも脱水がひどくなると、寝ている間に、脳梗塞を起こす可能性が大きくなります。飲みすぎたときには、少なくとも500ml以上の水分を寝る前に補っておきましょう。緑茶・紅茶・ウーロン茶はいずれも利尿作用があるので、よくありません(赤ちゃんには飲ませませんよね!利尿がつくと赤ちゃんは脱水になりやすいからです)。ほうじ茶、麦茶、番茶などがいいと思います。スポーツドリンクなどもいいのですが、糖尿病のある方は気をつけましょう。吸収のいい糖分が入っているものが多いので、想像以上に血糖が上がることがあるからです。
また、刺激の強いものも、要注意です。実際、刺激の強いものを食べた後に、薄味のものを食べたことがあると思いますが、味がわからなくなりますよね!この時点では、味覚のセンサーは振り切れていて、痛覚が主な感覚となっています。痛いので、長時間口の中に入れておけず、短時間でなくなってしまい、追加注文がでます。味がわからないので、手を抜いてもわからないし、食べ物の追加注文が出やすくなるし、やけて痛いノドを冷やすために、飲み物の注文まで発生します。店にとっては、凝った味付けの料理を作るよりも、濃い塩味のものや香辛料を多く使った料理を出したほうが、手間もかからず、売り上げが増えるのです。噛まずに流し込んでしまうために、消化されるまで、粘膜を痛める刺激のものが長時間胃の中に停滞することになり、胃の粘膜も痛んできて、胃の不快感などの症状が出てきて、薬代や、健診・検診を受けたときに胃の詳しい検査を受けなさいといった指示が出てくることになります。小さく切って、高い料金を設定してください。ゆっくり味わって食べることに自然となると思います。噛んだ分だけ、胃の負担が減るし、小さく切った分だけ、たくさん食べた気にもなれます。
家で飲まれる方は、可能でしたら、普段は、晩酌をやめていただきたいのです。アルコールを飲んだらいけない!ということではなく、夕食のときに、アルコールを飲むのを避けていただきたいのです。人にもよるのですが、自分の場合は、『つまみ』がなくなると、何か出してきます。『つまみ』余ると、今度は、飲むものを新たに出してきます。減ることはありません。また、アルコールの体に及ぼす作用を考えてみると、飲んだすぐ後に『睡眠期』が訪れ、眠くなるのですが、刺激の強い『つまみ』で目がさめたり、面白い番組をやっているので、眠気が飛んでしまい、その次の段階の『興奮期』に移行してしまい、ついつい量が増えてしまいます。食事が終わり、お風呂にも入って、もう何時でも寝られるといった状態にしてから、一本一万円と思って飲んでいただきたいのです。眠くなったらすぐに布団に入りましょう。場合によっては、飲むことを忘れて、寝てしまうことも出てきます。ここで節約できた、アルコール代をためていくと、一年でかなりの額になりますよ!この時どうしても『つまみ』として食べたいものがあるのでしたら、夕食のときに残しておいて、1/4の大きさに切ってから食べましょう。1/4の大きさになっているので、自動的に4倍噛んだことになります。食べた後少し時間をおくよりも、胃の負担は明らかに減ります。
お好きで飲まれているアルコールですから、じっくり楽しんで、味わって飲んでいただきたいのです。当然のことですが、アルコールを飲んだらいけない状態の方は、やめて置いてください。また飲まない日も作りましょう。
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