2013年10月5日 ザ・プリンスパークタワー東京
グローバル・スタンダードへ向かうわが国のβ遮断薬療法
演題「循環器疾患の心拍数管理のグローバル・スタンダード」
演者:自治医科大学付属埼玉医療センター センター長 百村伸一先生
内容及び補足(含質疑応答)「心拍数と寿命においては逆の相関がすべての生物にいられ、人間だけがその関係図から逸脱している。
1977年に健診を受けた40から64歳の日本人573人を1994年まで経過を見たが、心拍数を60bpm未満、60-69、70-79、80-89、90以上に分けたところ、60-69bpmの群の死亡率が14.3%と最も低く、90bpm以上の群が38.2%と最も高かった。
正常血圧および高血圧患者において観察開始時の心拍数と最終の心拍数で四群に分けて心血管死の危険度を見てみると、もともと心拍数が低い群と治療などにより心拍数が低下した群のリスクが最も低く、観察開始時も最終時にも高値である群の予後が最も悪かった。
収縮不全の患者におけるβ遮断薬の治療効果は、投与量に応じて効果が増大する部分もあるが、ある程度の所で頭打ちとなる。