書籍紹介
2016-01-21 08:48
川村内科診療所
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毎日新聞社のHPYahooニュースに新刊本の広告が掲示されました。

「腹凹(はらぺこ)ウォーキング」を提唱する川村昌嗣さん/川村内科診療所(横浜市西区)所長にインタビュー

 肥満、腰痛、肩こり、関節痛、ストレスによる胃痛、便秘、ガス腹......「最近、体調が思わしくない。体重、肥満値(BMI)、血糖値、中性脂肪、血圧も心配。おまけに腹回り、首回り、体型がだらしなくなってきた」「基礎代謝が落ちて太りやすくなり、体調不良も気になり始めた」という人は、かなりいるのではないか。

 そんな人たちに役立つ本「医師がすすめる48歳からの腹凹(はらぺこ)ウォーキングダイエット」が、毎日新聞出版より刊行された。エクササイズの基本動作は、「お腹を出したり引っ込めたり、ぺこぺこと動かす。そこから発展させて、通勤など歩く際にお腹を動かし続ける」だけ。根気がなくてズボラな性格の人にも手軽に実践できて、しかも継続できる健康管理法について川村内科診療所(横浜市西区)の川村昌嗣所長に聞いた。【聞き手・毎日新聞出版編集部】

 −−腹凹ウォーキングを編み出したきっかけは?

 川村 今から8年前、私は神奈川県警友会・けいゆう病院で主に人間ドック、健康診断を受診した人の生活指導を行なっていました。その他、横浜市の市民講座の責任者も兼ねていました。あるとき市民講座の演題を公募したところ、「ダイエットをテーマにした話が聞きたい」との要望を多くいただきました。そこで、準備に取りかかったのですが、困ったことに引き受けてくれる医師がいないのです。ある医師の話では、生活指導をした際に「先生は元々痩せていますよね。体質的に太らないのでしょう」と受講者に言われてしまったそうです。また、「受講者が頑張って減量に成功しても、それを維持させることが難しい。リバウンドを防ぐ手立てを教えられない」といったことが原因でした。

 やり手がいないので、私が講義をすることになりました。せっかく講義をするのなら、他の人と同じような内容では嫌なので、「リバウンドをしないダイエットの方法」をテーマにしようと考え始めました。速足で歩くようにしたり、帰りの1駅分を歩くようにしたり、階段を使うようにしたり、野菜から食べ始め、毎食少し残すようにしたり、脂っこいものを控えたりと、いろいろなダイエット方法を試みました。その都度ある一定の効果は出るのですが、気を抜くと元に戻ってしまい、リバウンドを避けることができませんでした。試行錯誤の結果、リバウンドの原因は、努力と我慢をしたこと、それが継続できなかったからだということに気づきました。その解決策として編み出したのが、「腹凹ウォーキング法」です。

 −−腹凹ウォーキングの方法は?

 川村 実際にやることはすごく簡単なことで、歩くときにお腹を出し入れするだけです。「絶対にこの方法でなければいけない」ということではなく、人によってやりやすい方法や、より結果が出やすい方法が異なります。まずは、多くの人がやりやすいと思われる方法をご紹介します。

1.腹筋に力を入れて、ゆっくりと引っ込める

 早く引っ込めると反動を使った動作になり、脂肪燃焼効率が低下します。

2.お腹を出すときにも、腹筋に力を入れてゆっくりと出す

 普段お腹を動かすときには、腹筋の力を抜いて、お腹を出しています。腹筋に力を入れて、お腹を出すだけでも消費カロリーが増えます。ただし、力を入れすぎると反動を使った動きになり、消費カロリーが低下します。また、筋肉痛が出てきたり、呼吸が荒くなったりして、腹凹ウォーキングの持続が困難になりますので注意が必要です。

3.お腹に手を当てる

 お腹を出すときに、腹筋にうまく力が入りにくい人は、お腹に手を当てて、手でお腹を押し込むようにした後、手の力を緩めないまま、腹筋に力を入れて、ゆっくりとその手を前に押し出すようにしてみましょう。

4.息苦しくないペースを保つ

 お腹を動かすときに、呼吸と連動してしまう人は、お腹の動きに合わせて、歩くスピードを調節してください。お腹の動きと足の動きとの関係は意識せず、呼吸が苦しくならないように心がけましょう。

 −−腹凹ウォーキングですぐに効果を出す方法は?

 川村 『医師がすすめる48歳からの腹凹ウォーキングダイエット』では、過去の私の著書を読んで、あまり効果が出なかった患者さんに対しての指導法を中心に書きました。効果の出にくい患者さんの話を聞いてみて、問題だなと感じることがあります。「結局、この本に書かれているのは運動量を増やして消費カローを増やさないと効果がない、ということでしょう」とか、「ダイエットは、食べる量を減らさなければならない」などと勝手に思い込んでいるのです。

 自分の思い込みを捨てて、ものの見方を変えてみる。これを、生活習慣病の主な要因である食習慣の改善方法に活かしてみましょう。まずは、ご自分のふだんの生活を振り返ってみてください。その中で、ものすごく損をしている、無駄なことをしていると感じることは、ありませんか。

 これから食べようとしている物を、「今しか食べられないものだ」と思えば、「味わって食べなければもったいない」という気持ちが生まれ、ゆっくり噛んで食べるはずです。そうすると、詰め込むような食べ方はせずに、たっぷり時間をかけて味わうようになるので、食べ過ぎることもないはずです。

 実は、私が初めてこの方法に気づいたとき、すぐに効果は出ませんでした。というのは、「やらなければいけない」ことは「やらない」し、「我慢をしなければいけない」と思うことは「ついやってしまう」という、あまのじゃくな態度だったからです。「朝の通勤でお腹を動かさなかったので損をした」、「味わって食べなかったので損をした」と自然に考えられるようになると、結果は自然についてきて、リバウンドしない体になりました。

 このような考え方になるように、意識を変えていくことが大切なのです。そのためにも、この本を繰り返し読んで、自身の生活習慣を見直してみることからぜひ始めてください。

 −−ダイエット効果の高い冬の過ごし方を教えてください。

 川村 寒さが身に染みる冬といえば、多くの人が家の中でこたつに入り、お菓子や果物を食べながらテレビを見ているといった光景が目に浮かびます。寒いので、ついこたつに入ったままになり、運度量が減りがちです。そして、みんなで囲んで食べる鍋料理は、いつもよりもつい食べ過ぎてしまいがちです。いろいろな食材で出汁が効いているので、締めの雑炊やうどん、ラーメンなどもおいしく、食事の摂取量が増えてしまうのです。そのため、年末年始の「正月太り」ばかりでなく、「冬場太り」の対策が必要になる人が少なからず出てきます。

 とっておきの方法を、いくつかお教えしましょう。通勤時、仕事で机に向かっているとき、掃除や買い出しなど、体を動かす場面はさまざまあります。日常生活のいろいろな場面で、普段あまり使わない筋肉をちょっと使うように工夫することで、運動消費カロリーをアップさせることができます。お腹を動かしたり、腹筋に力を入れたり、脇に力を入れてみたり、後ろ脚に重心を置いて歩くようにしてみるのも効果的です。反動を使わず、ゆっくり体を動かすだけでも、運動消費カロリーは増えます。

 テレビを見たりスマートフォンの画面を見たりする時間など、ご自身のふだんの生活の中で、腹凹ウォーキング・腹ペコトレーニングができる時間帯をリストアップしてみましょう。そのときに「ちょっと意識するだけで、使っている筋肉のトレーニングになるし、運動消費カロリーも増えるので、やらないと損をする」と考えてみてください。テレビを観ているときは、CMの時間を利用してお腹を動かしましょう。1本30秒のCMが4本流れている間お腹を動かせば、2分間のトレーニングができます。

 また食事や間食をするときには、「食べているものを、しっかり見てじっくり味わわないのは損だ」という認識を絶えず持つようにしましょう。「食べる際にいちいちそんなこと考えていられるか!」という人は、1回に口に運ぶ量を普段の4分の1にしてみてください。いつもと同じタイミングで飲み込んでも、4倍噛んだことになり、しかも4倍の量に該当する唾液が分泌されることになります。そのため、噛んでいる食べ物の消化が良くなります。

 もうひとつのメリットは、食べ物の数です。たとえば1皿に5個の食べ物があってもそれでは満足できず、つい1品追加して食べてしまう人がいるかもしれません。しかし、1つを4分割すれば20個になります。20個食べれば満腹感が得られますので、追加することもなくなり、食べ過ぎを未然に防げるのではないでしょうか。
肥満度をチェック

 生活習慣に関する設問を用意しました。それぞれの設問にイエス、ノーで答えてください。イエスの数によって、あなたの生活習慣に潜む太りやすい危険度をはかることができます。

【生活習慣チェック】

□早食いである

□満腹になるまで食べないと気がすまない

□激辛料理など刺激の強いものを好む

□塩辛い濃いめの味つけを好む

□熱いものを好む

□油っぽいものを好む

□外食が多い

□フルーツが大好き

□間食がやめられない

□お菓子の袋を開けると食べきってしまう

□朝食をとらない

□ご飯をおかわりすることが多い

□深夜遅くに食事をとることが多い

□料理を残すことができない(家族が残した分も食べてしまう)

□料理をついたくさん作ってしまう

□食事をしながらテレビを見るなど、"ながら食い"をしがちである

□晩酌の際、必ずつまみを食べる

□飲んだときは締めのラーメンを食べないと気がすまない

□多少遠回りでもエレベーターやエスカレーターを使ってしまう

□短距離の移動でも車を使用する

□食後すぐに横になる

□すり足気味で歩いている

□歩く際の歩幅が小さい

□猫背気味である

□健康グッズをつい買ってしまうが続かない

【判定結果】

0〜5:危険度10%未満。今の生活習慣を保つようにしましょう。

6〜10:危険度30%。まずは食生活の改善を目指しましょう。

11〜15: 危険度50%。本書で紹介している食事療法と自宅でできる運動療法を実践するよう心がけましょう。

16〜20: 危険度70%。本書で紹介している食事療法と運動療法をできる限り行いましょう。

21 〜25: 危険度90%。本書で紹介している食事療法と運動療法を欠かさず実行しましょう。

※判定結果はある程度の目安として活用
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