花粉症対策
2013-02-08 09:57
川村内科診療所
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花粉症の時期になるとつらくて何もできないと、お困りの方は近年急増しています。根本的な対応方法は、大気汚染の改善と、アレルギーの直接原因となっている、杉などの花粉を出さないことになりますが、現時点では困難です。そこで少しでも、どうすれば、症状を軽くすごすことができるかを考えて見ましょう。
鼻の粘膜や目の結膜にアレルギーのもとであるアレルゲンがついて反応が出てきます。このとき、肥満細胞というアレルギー担当細胞の表面にあるアレルゲンがくっつく受容体(レセプター)に、アレルゲンがくっつくことにより、肥満細胞内にあるアレルギーの反応を直接引き起こすヒスタミンなどを細胞の外に放出して、鼻水、涙、くしゃみなどの反応が起こります。この反応が起きてから治療を開始しても、効果が弱く、より多くの薬が必要となってしまいます。花粉症の薬は、症状が出る前から飲んでもらった方が良いのはこのためです。薬に関しては、主治医の先生と相談してください。
それでは、日常生活でひどくならないためにどうすればよいのでしょうか?
まず、アレルゲンを出来るだけ体に付けない工夫です。大き目のメガネ(サングラスなど)を掛ける。マスクをする。家に帰ったら、ドアから少し離れたところで、服や髪の毛についている花粉を出来るだけ払い落とすこと。布団や洗濯物は外に干さないこと。もし干した場合には、花粉を集めて大きなカタマリにするスプレーがあるので、それをかけて、充分叩き落としてから家の中に取り込みましょう。
その次には、帰ったら体についた花粉を落とすのが理想的です。まずウガイをして、目薬などをして目も洗い、鼻もかみましょう。可能でしたら、そのままお風呂に入ってしまい、髪の毛も含めきれいにしましょう。
寝るときに、鼻が詰り息苦しくて、つい口呼吸になり、朝起きたときノドがあれている状態になってきます。部屋を加湿したり、マスクをつけて寝ることで、少し楽になります。最近立体的なマスクが出てきたので、寝ている間マスクをしていても、耳が痛くならなくなりました。けれどこれらの対応では、鼻詰まりは解消できません。
鼻の粘膜にアレルゲンがついて、鼻の粘膜が腫れ、そこに鼻水が多量に乗っかっているので、鼻の中は、非常に狭くなって、鼻呼吸がし辛くなっているのです。鼻の通りをよくするために、鼻をカンでから鼻に点鼻薬をしますが、鼻水はある程度粘度があるため、空気の勢いが強いところ以外は、鼻水が残っています。薬をかけても、鼻水に薬を振り掛けることになります。お勧めなのが、鼻を洗うことです。鼻に水が入ると痛くて辛いので、洗うなんてとんでもないと思われている方は非常に多いのですが、一度ではなく、4-5回鼻を洗ってみてください。デパートの上のほうに健康器具売り場あります。そこに鼻の洗浄器がおいてあります。大きな薬局にもありますが、あまり種類はありません。高いものを買う必要は無く、手動式のもので充分です。塩水を作って、片方の鼻の穴から、この塩水を入れ、反対の鼻の穴から水を捨てます。初めは、鼻の粘膜は腫れているので、少し濃い目の塩水にするがコツです。洗った後に薬を点鼻すれば直接鼻の粘膜に届きます。ただし、鼻の粘膜がかなり腫れている人は、細くなった所に洗った水が残っていて、動いているときにタラーっと落ちてきますので、ティッシュは数分間携帯してください。
花粉症の人は花粉のみを気をつければいいのかというと、そうではなく、ハウスダストや、ダニのアレルギーも持っている方が多く、これらに対する反応が、症状に加味されます。当然のごとく部屋はきれいにする必要がありますが、掃除の仕方がズサンだと意味がありません。
古い掃除機だと、掃除をすることにより、返ってアレルゲンを部屋中にばら撒くことになります。ダイソンなどの排出する空気とゴミが別になるタイプに買い換えられた方が良いと思います。その様な掃除機を使っても、早く動かしすぎると、細かなホコリは、掃除機に吸い上げられずに、ただ単に上に上がって時間がたった後に再び下に降りてくるだけで、掃除をしたことになりません。霧吹きを吹きかけるか、ゆっくり掃除機を動かしてください。


カーテンもかなりホコリを吸い込んでいます。月毎に洗いたいのですが、実際には、なかなか出来ません。掃除機をかけるときに、カーテンを掃除機の先端で凪いでいただければ、カーテンに吸い込まれたホコリの一部分は吸い取れます。         
電灯のカサの上にたまったホコリもクセモノです。電気の点灯・消灯ごとにゆすられ、ゆっくり落ちてきて、寝ている間に吸い込んでしまいます。マメに拭きたいのですが、ついつい・・・となってしまいます。少しお金はかかりますが、はめ込み式タイプの物に替えてもらえば、ホコリを気にする必要がなくなります。近所の電気屋さんに相談してみてください。
鼻のつまりがひどくて、寝るときに、口呼吸になり、起きたときにノドがガラガラといった方には、寝る前の鼻の洗浄が有効ですが、マスクをして寝ることも有効です。耳にかけるところがゴムのものだと、寝ているときに耳が痛くなりますが、最近立体的なマスクは、耳が引っ張られないので、数日間継続してできます。自分の吐いた温かい湿った空気を吸うことができるので、のどのダメージがかなり軽くなります。一度試してみてください。
対処療法ですが、鼻の横を少しずつ、ずらしながら押すと痛いところがあります。鼻で息をしようとしながら、ここを数秒間押しつづけてください。少し鼻がとおってきます。
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