ノロウイルス感染の最前線 対応策 相楽裕子先生
2013-03-18 09:14
川村内科診療所
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2013年3月12日 横浜市健康福祉総合センター 
演題「ノロウイルス感染症への対応〜現状・診断・治療・予防〜」
演者:東京都保険医療公社豊島病院 感染症内科 相楽裕子先生
内容「ノロウイルスは培養できないので、実験できず、似た構造のネコカリシウイルスのデータを参考にしているのが現状。感染力が強く10〜100個程度のウイルスで感染し、潜伏期間は24〜48時間と考えられている。4℃で二か月生存でき85℃の過熱では1分で不活化されるが、75℃では5分かかる。食事を食べた胃の中の状態とほぼ同じpH 3の酸性下では3時間以上も活性が維持される。感染経路は食中毒型経口感染、接触感染、飛沫感染があり、離れた場所でも感染する可能性がある。感染後に抵抗力として身に付く免疫は数か月ぐらいしか持たないと考えられている。検査キットで陽性となるのにはウイルス量が100万ほど必要であるので、検査が陰性でもノロウイルス感染は否定できない。消毒は、通常のアルコール消毒は効果がなく、塩素消毒が有効。キッチンハイター10mlを薄めて3lにしたもので拭き、そのあとキッチンハイターを取り除くように再度ふく方が良い。」
提案:水様便の下痢の際、便器の水面で便が、跳ねお尻前面にウイルスが付着している状態となる。お尻を拭いた際、肛門以外のお尻に触れたところにウイルスが付着し、その付着したウイルスからのさらなる感染が懸念される。対応策としては、お尻を拭く方の手の袖をまくり、お尻を拭いた後は、腕から先を丁寧に洗うことが重要。嘔吐物の処理の際にウイルスが飛んでそれを吸入して起こる飛沫感染が問題となる。下痢が長引く人は、自分の嘔吐したウイルスを大量に吸入して長引いている可能性がある。おう吐物を処理する人は、マスクの装着だけでなく、マスクの内側にティッシュペーパーを折りたたんだものを入れ、少し息苦しいような状態にして、マスクの隙間をできるだけ無くなるようにし、手袋をしてから汚物処理を行う。その際には、汚物が見えなくなるようにティッシュやペーパータオルを上に乗せ、ソーット寄せ集めて、ビニール袋に写し、キッチンハイターを薄めたもので丁寧に二度拭きをして、そのあとキッチンハイターを落とし、手袋とマスクを一緒に廃棄する。
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