2013年4月12日 ベイシェラトンホテル&タワーズ
演題「神奈川EPA研究会オープニングリマークス」
演者:北里大学循環器内科教授 増田卓先生
内容「デンマーク人白人とグリーンランド・イヌイットの心臓死の差が食事中の脂肪酸n-3/n-6(ω-3/ω-6)の比率の違いによるものだという考えからEPA製剤エパデールが作られた。
近年食生活の欧米化により日本人の動物性脂肪の摂取量が増え、魚油の摂取量が減少し、相対的にEPAの摂取量が低下しているなかで、脳梗塞や心筋梗塞が増加している。
EPAの多面的効果を考えるとプラークの進展抑制、抗血小板作用、中性脂肪・レムナントの低下作用、抗不整脈作用、軽度の降圧作用、血管の内皮機能改善作用が挙げられる。
日本においてスタチンが投与されている脂質異常症の症例にEPAを追加投与した人の臨床研究JWLISの結果冠動脈のイベント、突然死や心筋梗塞の頻度、不安定狭心症も減少した。虚血性心疾患がある人の二次予防においては有効な治療法として認識されるようになった。