心電図の読み方 帝京大学 村川裕二先生
2013-04-22 08:49
川村内科診療所
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2013年4月20日
演題「心電図の読み方」
演者:帝京大学医学部付属溝口病院第四内科教授 村川裕二先生
内容「心房細動患者は2005年時点で約70万人、2030年には100万人を超えると推定されています。有病率は高齢になると著増します。日本においては、60歳男性では、約2%ですが、80歳男性では4.4%と増加しています。


以前は、心房細動の起源は心房筋の不規則な興奮と考えられていましたが、近年四本ある肺静脈の興奮が心房細動の原因である場合が多いことがわかり、心臓カテーテルを使った肺静脈の囲い込み(電気的な隔絶)を治療として行われることが増えてきました。


特に神奈川県は積極的に心房細動の治療としてカテーテルアブレーションが行われており、年間一万数千人行われるアブレーション治療の約1/5が、神奈川県の施設で行われています。以前は、「心電図学」と言われる医学の分野がありましたが、近年色磯な検査機械が発達してきたため、それらの検査を利用したり、それらの検査により確定診断がつくようになってきたりしたため、「心電図学」と銘打った書籍はなくなりました。特に心房細動に関しては、診断や治療において進歩が著しく変化してきています。
発作性心房細動と慢性心房細動での脳梗塞発症率には差がないので、両者において抗凝固療法が必要であるが、実際は、発作性において抗凝固療法がおこなわれる頻度は慢性心房細動に比較して少ない。

心房細動の脈拍の治療として、心房細動波を消失させる治療であるリズムコントロールと、心房細動の脈拍数をコントロールするレートコントロールとに分けられます。2002年にアメリカ・カナダの65歳以上あるいは脳梗塞や死亡の危険性が高いと考えられる心房細動患者4060例を対象に二つの治療に分け生命予後を検討したAFFIRM(Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Rhythm Management) Studyが発表され、リズムコントロールよりもレートコントロールの方が予後良好という結果が発表されました。

リズムコントロールをする薬剤としても差があり、AFFRIM試験のサブ解析で治療継続率が最も高い薬剤はβ―遮断薬でした。

発作性心房細動我慢性心房細動へ移行する率は基礎疾患により異なります。

追加情報?:
発作性心房細動:一週間以内に自然に停止する。
持続性心房細動:一週間以上持続する。
慢性心房細動:除細動されずに半年以上持続している心房細動)
追加情報?:
発作性心房細動の初発から慢性心房細動への移行時期
高血圧性心疾患:33〜61か月
虚血性心疾患・リウマチ性心疾患:12〜32か月
追加情報?

また、心房細動が起こる時間帯が年齢により異なり60歳未満では夜間帯が多く、自律神経の影響が考えられています。」
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