Yomi Dr. 22回目 「正しい歩き方」は足を痛める
2014-12-02 08:47
川村内科診療所
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Yomi Dr. 23回目『尿酸値を下げる薬で痛風発作に』
が現在掲載されています。

3カ月の連載の予定で始めた、『ダイエットの達人・ドクター川村のスマート健康塾』
でしたが、が愛読の結果延長され、年末まで連載することとなりました。
種々の事情があり、いったん今年度で、終了することになりました。
ご愛読ありがとうございました。
皆様方の感想を、ぜひ( t-yomidr2@yomiuri.com )に送ってください。

Yomi Dr. 22回目
「正しい歩き方」は足を痛める

の記事は下記の文章です。
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 健康教室に行くと、必ず、「健康のために正しい歩き方で散歩をしましょう」と勧められます。

 「かかとから着地して、小指側に体重を移動して、親指側で地面を蹴るように歩くこと」「胸を張って、腕を振って、いつもよりも足を高く上げ、いつもよりも少し大股で、いつもよりも少し早足で歩く」。

 そのように指導されませんでしたか。

 しかし、この「正しい歩き方」がくせものなのです。

 健診で10年以上生活指導をしていると、いろいろな受診者の方から、たくさんの情報が得られます。

 「健康教室に行って、歩き方の指導を受けて頑張ったんだけど、足を痛めて歩けなくなり、かえって太ってしまったんだよ」という高齢の方に、しばしば出会いました。

 高齢の方は、すり足のような歩き方になってくるので、歩く時に足の骨に与える衝撃はそれほど強くありません。その上、骨が年とともに弱くなってきます。

 そのような状況で、いきなり、高い場所から、勢いをつけて全体重をかかとにかけるのです。ひどい場合には、骨打撲といった骨折と同じようなダメージをかかとに与えることになるのです。

 しかもより悪いことに、こういった足を痛めた方は、「自分が不甲斐(ふがい)ないから、指導された歩き方ができない」と思ってしまうので、指導した人のところには、この歩き方で足を痛めていたという情報が届きません。指導された歩き方でダイエットに成功した人の感謝の言葉しか届かないのです。

 それでは、どのような歩き方が良いのでしょうか?

 腰痛がある時の歩き方を考えてください。腰が痛いはずなのに、夜や、翌朝起きた時に全身の筋肉痛を感じたことはありませんか? 腰に衝撃が来ないように、全身の筋肉を使って、ゆっくり歩いているからなのです。

 「日々の生活でゆっくり歩いている暇がないよ」と思われるかも知れませんが、実際そうだと思います。

 そこでお勧めしているのが、雪が降った翌日などに道が凍っていた際の歩き方である、後ろ足に重心を残した歩き方です。

 みなさんも、一度、後ろ足に重心を残す意識で歩いてみてください。

 この歩き方がわかりづらいと思う方は、傷つけると損害賠償をしなければならない高価な靴を履いて歩く状況を想像してみて下さい。

 「靴にダメージを与えない歩き方=自分自身の足にダメージを与えない歩き方」になっているはずです。
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